生前整理はもはや必要知識の一つ!今すぐできることやメリットや進め方

生前整理 広島

生前整理という言葉をよく聞くようになりました。世の中の関心ごとになってきたのでしょう。

今回は、この生前整理とは何か。

生前整理をするメリットとは。いつ頃から生前整理をはじめたらよいかをまとめました。ぜひ、最後まで読んでください。

目次

生前整理とは

今、断捨離ミニマリストという持ちモノを最小限にする生き方がトレンドになっています。

数十年前には、ほとんど聞くことのなかった「生前整理」。

「どうせ片づけをするなら若いうちにしてしまおう」
このように20代、30代の若い人でも考えている人がいます。

それでは生前整理とは実際、何をするのでしょうか。

少し掘り下げて考えてみましょう。

生前整理の第一の目的は、「残された家族のため」に行うことです。

人が亡くなった後は、ただでさえ遺族は忙しいもの

そんな遺族を悩ませないために、あらかじめモノなどの整理をすることが重要です。

遺品などの分配を遺族が行うことは、思いのほか労力を必要とします。

また、モノ以外のお金や不動産、自動車などの動産についても相続のトラブルの火種になることも

また、遺品の整理中に突然、証券や銀行口座を見つけてしまうと、税務申告が必要になる場合があります。

そうなると、遺族もあわただしくなるでしょう。

本人が亡くなってからのモノの整理を「遺品整理」といいます。

残された家族を少しでも困らせないようにしようとするのが「生前整理」と思ってください。

生前整理には「モノの整理」「お金の整理」「デジタル情報の整理」があります。

次からそれぞれ詳しくみていきましょう。

モノの整理

モノの整理は一言でいえば「減らす」ことです。

減らし方は以下に分類ができます。

「捨てる」
「譲る」
「死後に処分してもらう」

捨てるモノは使っていないモノ

譲るモノは、価値があるモノ・誰かに残したいモノなどです。

現在使っているモノ・手元に置いておきたいモノは、死後に処分するように伝えておきましょう。

そうは言っても、なかなかモノの整理というのは簡単にできないものです。

生前整理は終活のひとつともいえるので、1年くらいかけてじっくりと取り組めばいいと思います。

ポイントとしては、自分の老後や死後を意識することです。

たとえば、自分が収集しているコレクションなどは家族でもその価値がわからないものです。

自分が死んでしまったら、価値がわからなくなるようなモノは、真っ先に整理するとよいでしょう。

また、老後に高齢者住宅や介護施設に入居するようになった場合をイメージするのもよいでしょう。

すべての持ち物を持って入居できるわけではありません。

生前整理は自分にとって必要最小限のモノは何かを知ることにもなります。

お金の整理

モノの整理も大事ですが、お金の整理も重要です。

お金の整理は相続のトラブルの回避と言い換えられます。

うちに相続する資産はないから大丈夫!」そういう人が多くいます。

しかし、実は相続資産が少ない人ほど相続で係争になっているようです

そもそも、相続税が課税されるような資産家は、あらかじめ相続の対策をしています

そのため、トラブルになりにくいのです。

そして、資産がないという人が持っている家や土地。

このようなお金になっていないものは、遺産として分配しにくいのでトラブルの原因になりがちなのです。

お金の整理とは、銀行口座・証券口座・不動産・動産のリストを作ることからはじめます。

使っていない不動産などは売ってしまって、お金にしておくと相続の時が楽です。

最近はエンディングノートが流行しています。

しかし、相続に関することは遺言書に書いてください

エンディングノートで遺族に気持ちを伝えることはできますが、法的拘束力があるのは遺言書だけです。

お金の整理は残された家族が、相続で困らない状態にすればゴールといっていいでしょう。

デジタル情報の整理

近年、「デジタル遺品」という言葉が注目されています。

デジタル遺品とはパソコンやスマートフォンといった「デジタル機器」、その中に入っている「データ」のことです。

本人が亡くなっても、登録しているSNSやLINE、ブログのアカウントが残ってしまいます。

また、銀行口座や証券口座をネット上に開設している人も増えています。

これらにアクセスするIDやパスワードは一覧表にしておきましょう。

このIDやパスワードの一覧表をエンディングノートに書いておくとよいです。

中には家族に見て欲しくないSNSやブログというものがあるかも知れません。

そのような場合は故人の遺志として、「内容は見ずにアカウントを削除して欲しい」と書くとよいでしょう。

また、死後に解約する必要があるスマートフォン、インターネット回線などの契約も一覧表にしてエンディングノートに残しておきましょう。

生前整理をするメリットとは

生前整理にはモノが減るという、目に見えるメリットがあります。

実はその他にも多くのよいことがあります。

モノが整理できる

生前整理の中心はモノの整理です。

モノを減らすために、捨てたり譲ったりすることでモノの数が減ることになるでしょう。

すぐには減らないにしても、今使っていないモノをケースに入れて、1年間使わなかったら捨てると決めるとかなり整理ができます。

その結果、家や部屋が片付くのです。

部屋が片付くと自分自身、楽になります。

高齢になると小さな荷物でつまずいて、転倒し骨折することもあります。

将来、車いすで移動することになるかも知れません。

介護が必要になることまで想定すればベストです。

何もモノがない部屋を1部屋作っておくと、将来、介護ベッドを置く時に便利です。

介護してくれる人も困らなくなります。

モノの整理にはこのような効果があります。

また、モノを整理した結果、自分の手元に残るのは自分の愛着のあるモノだけになるのではないでしょうか。

愛着のあるモノに囲まれて暮らすのは快いものです。

そして、自然にこの片付いた快適な空間を維持したいと思うことでしょう。>

不要なモノを捨てるというのは、自分の価値観を整理することにもつながります。

その結果、ムダな買い物をしなくなったという声もあります。

気持ちの整理ができる

不要なモノを捨てることで自分の価値観を整理できると書きました。

生前整理をした人から「気持ちがすっきりした」「自分の考えや気持ちも明瞭になった」という感想を聞くことがよくあります。

生前整理により自分の価値観が明確になります。

それにより毎日が身軽になる・毎日が快適になる、そんな効果もあるようです。

自分の人生を振り返る

終活という言葉を最近はポジティブにとらえる人が増えてきました。

それは今までの人生を振り返り、これからの人生を考えるという前向きな姿勢からです。

終活の一環として行う生前整理は、ぜひそんな風に考えて欲しいと思います。

実際に生前整理をした人に聞くと、その後の人生が充実したという声があります。

また、ご夫婦で生前整理をしたある方は、生前整理をした後に新しい目標が見つかり、海外移住にむけた貯蓄をはじめたとも。

生前整理は過去の自分の人生を振り返るよい機会です。

今まで生きてきた長い人生を見つめなおす時間です。

あらためて、人生を考えなおすと、人間関係も整理され、大切な人が誰かわかってくることもあるでしょう。

これからは大切な人との暮らしに重点を置く。そんな気づきがあると素敵ですね。

生前整理をはじめる時期

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それではいつから生前整理をはじめたらよいのでしょうか。

きっかけとしてはいろいろなタイミングがあります。

引っ越し・子どもの独立・定年退職・年齢の節目など。

生前整理は思っている以上に体力と気力が必要です。

そのため、40代から50代の間にはじめるとよいといわれます。

40代から50代だと、まだ残りの人生に余裕があります。

生前整理して身軽に生きられる時間が長いのですから、その点でもオススメです。

「働き盛りだからこそ生前整理」「元気だからこそ生前整理」。

これからは主流になるのではないでしょうか。

また、40代から50代の人の親世代は、まだ健在の人が多いと思います。

親の終活も子どもにとっては大きな課題です。

子どもである40代から50代の人が生前整理すれば、親世代の生前整理や終活のきっかけになります。

とくに親の終活はデリケートな問題ですから、なかなか言い出しにくいものです。

しかし、子どもが終活するのならばと、生前整理をはじめる親も多いようです。

そして、親の終活や生前整理を一緒にする・手伝うというのは、親との思い出を共有できる体験にもなります。

親の生前整理は自分の生前整理より重要になります。

親の終活は老後や死というものが自分より近いからです。

今は5人に1人が認知症になるといわれています

親の認知がしっかりしているうちに生前整理をしたいものです。

また、自分のモノでなく、親のモノを整理するのですから、勝手に進めるのはよくありません。

親と一緒に、親の価値観で親のペースで進めていくのがいいでしょう。

途中で古いアルバムが出てきたら、手を止めて思い出話をするくらいの余裕がちょうどいいでしょう。

まとめ

今回は生前整理のメリットについてお話ししました。

読んでいただき、生前整理とはどういうものか。

どういうモノを生前整理したらよいか、ご理解いただけたでしょうか。

また、生前整理のメリットについてお話ししました。生前整理はモノが減ることだけではありません。

人生観など多くのことに影響することもお気づきかと思います。

生前整理や終活は、たしかに人生の終末期にむけて行うことです。

生前整理をきっかけにその後の人生が充実した。そんな効果もあります

最後に生前整理するのはいつがよいかを説明しました。

体力と気力が充実している40代から50代がよいと書きました。

40代から50代の世代の生前整理は、親世代の終活や生前整理につながる効果もあります。

もちろん、体力や気力が充実している60代や70代の方もいます。

そんな方は「生前整理」という言葉を知ったこの機会にはじめてください。

5人に1人が認知症になるわけですから、準備を進めるのが早いに越したことはありません。

残された家族のためにもなります。

そうはいっても「生前整理は何からしていいかわからない」「体力的にモノを処分する力がない」という方もいると思います。

お手伝いしてくれる家族が近くに住んでいれば、お願いするとよいでしょう。

それが難しいようであれば、専門家にお願いする方法もあります。